副業でマイクロ法人設立を検討中の方へ。
本記事では、マイクロ法人の作り方を設立準備から登記、設立後の届出までステップ解説。
節税などメリットを最大限活かす会社形態の選び方、運営のコツも網羅。
マイクロ法人は副業の可能性を広げる有効な手段ですが、その成功は正しい知識と手順にかかっています。この記事で全て解決します。
マイクロ法人とは 副業で注目される理由
近年、働き方の多様化とともに、副業への関心が高まっています。
その中で、特に注目を集めているのが「マイクロ法人」という形態です。
マイクロ法人は、個人事業主とは異なるメリットを享受できる可能性があり、賢く活用することで副業の収益性や安定性を高めることが期待できます。
この章では、マイクロ法人の基本的な定義から、なぜ副業で注目されるのか、その理由を深掘りしていきます。
マイクロ法人の定義と特徴
マイクロ法人とは、法律で明確に定義された用語ではありません。
一般的には、社長一人、または家族などごく少人数で運営される小規模な会社を指します。
「プライベートカンパニー」と呼ばれることもあります。
大企業や中小企業とは異なり、事業規模の拡大を主な目的とせず、個人の資産管理や節税、社会保険料の最適化などを目的として設立されるケースが多いのが特徴です。
主な特徴としては、以下の点が挙げられます。
- 役員が自分自身のみ、あるいは家族のみであること
- 従業員を雇用しない、またはごく少数であること
- 事業内容が限定的であること(例:資産管理、コンサルティング、ウェブサイト運営など)
- 社会保険料の負担軽減や節税効果を主な目的とすることが多い
- 設立・運営コストは個人事業主よりかかるものの、工夫次第で抑えることが可能
特に副業でマイクロ法人を設立する場合、本業の収入とは別に法人としての収入を得ることで、税務上・社会保険上のメリットを追求する動きが見られます。
個人事業主との違い どちらを選ぶべきか
副業を始める際、個人事業主として開業するか、マイクロ法人を設立するかは大きな選択肢となります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、ご自身の状況や目的に合わせて最適な形態を選ぶことが重要です。
以下に主な違いをまとめました。
項目 | マイクロ法人 | 個人事業主 |
---|---|---|
設立手続き | 定款作成・認証、登記申請などが必要で、手続きが比較的煩雑。専門家のサポートも検討。 | 税務署に開業届を提出するだけで、手続きが比較的容易。 |
設立費用 | 株式会社で約20万円~、合同会社で約6万円~の法定費用がかかる。 | 原則無料。 |
運営コスト | 赤字でも法人住民税の均等割(最低年7万円程度)が発生。会計処理も複雑なため、税理士費用がかかる場合がある。 | 赤字の場合、所得税・住民税はかからない。会計処理は比較的シンプル。 |
税金 | 法人税、法人住民税、法人事業税など。役員報酬は給与所得控除の対象。経費として認められる範囲が広い傾向。消費税は条件により免税。 | 所得税、住民税、個人事業税(対象業種のみ)。青色申告特別控除あり。消費税は条件により免税。 |
社会保険 | 社長一人でも原則として厚生年金・健康保険への加入が義務。役員報酬額によって保険料をコントロール可能。 | 国民年金・国民健康保険に加入(従業員5人未満の場合)。保険料は所得に応じて変動。 |
責任の範囲 | 株式会社・合同会社の場合、出資額を限度とする有限責任。 | 事業で生じた負債は全額を個人が負う無限責任。 |
社会的信用 | 一般的に個人事業主よりも高いとされ、融資や取引で有利になる場合がある。 | 法人に比べると低いと見なされる場合がある。 |
どちらを選ぶべきかは、副業の収入規模、将来的な展望、手間やコストに対する考え方によって異なります。
例えば、手軽に副業を始めたい、初期費用を抑えたい、事務作業を簡素化したいという場合は個人事業主が向いています。
一方、副業である程度の所得が見込め、社会保険料の負担を最適化したい、将来的に事業を拡大したい、社会的信用を高めたいという場合はマイクロ法人の設立を検討する価値があります。
マイクロ法人設立のメリット デメリット
マイクロ法人を設立することには、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
これらを総合的に比較検討し、ご自身の状況に合致するかどうかを判断することが肝心です。
メリット
- 社会保険料の負担軽減: 役員報酬を低く設定することで、厚生年金や健康保険の保険料を抑えることが可能です。個人事業主の国民健康保険料は所得に連動して高額になるケースがあるため、これは大きなメリットと言えます。
- 税負担の軽減:
- 役員報酬を経費として計上でき、給与所得控除を利用できます。
- 個人事業主よりも経費として認められる範囲が広がる場合があります(例:自宅家賃や光熱費の一部按分など)。
- 所得を法人と個人に分散することで、累進課税である所得税の税率を抑える効果が期待できます。
- 一定の条件を満たせば、消費税の免税事業者となれる期間があります。
- 家族を役員にすることで所得を分散し、世帯全体での節税も可能です。
- 社会的信用の向上: 法人格を持つことで、取引先や金融機関からの信用度が高まる傾向にあります。大規模な契約や融資の際に有利に働くことがあります。
- 有限責任: 株式会社や合同会社の場合、万が一事業が失敗しても、出資者は出資額の範囲内でのみ責任を負う「有限責任」となります(個人保証などを除く)。
- 決算月を自由に設定可能: 業務の繁忙期を避けて決算月を設定できるため、事業運営の柔軟性が高まります。
- 退職金制度の活用: 役員退職金を支給することができ、これは税制上優遇されています。将来の資産形成の一助となります。
デメリット
- 設立費用と手間がかかる: 定款作成・認証、登記申請などの手続きが必要で、株式会社であれば約20万円~、合同会社でも約6万円~の法定費用が発生します。専門家に依頼する場合は別途費用がかかります。
- 運営コストがかかる: 赤字であっても、法人住民税の均等割(年間最低7万円程度)は必ず発生します。また、会計処理や税務申告が複雑になるため、税理士への依頼費用も考慮に入れる必要があります。
- 会計処理や事務作業が複雑化: 個人事業主と比較して、経理処理や社会保険手続き、法人税申告など、事務作業の負担が増加します。会計ソフトの導入や税理士への委託を検討する必要があります。
- 社会保険への強制加入: 社長一人であっても厚生年金・健康保険への加入が義務付けられます。これはメリットである反面、手続きや保険料の納付が必須となるため、負担と感じる場合もあります。
- 廃業手続きが煩雑: もし事業を辞める場合、解散登記や清算手続きなど、個人事業主の廃業届提出に比べて手間と費用がかかります。
- 交際費の損金算入に制限がある: 個人事業主では事業に関連するものであれば全額経費にできましたが、法人では資本金に応じて損金算入できる上限が定められています。
これらのメリット・デメリットを十分に理解し、ご自身の副業の規模や目的、将来設計と照らし合わせて、マイクロ法人設立が本当に最適な選択なのかを慎重に判断しましょう。
副業でマイクロ法人を作る前に知っておくべきこと

マイクロ法人を設立して副業を始めることは、多くのメリットをもたらす可能性があります。
しかし、勢いだけで進めてしまうと、後で思わぬ手間やコストが発生することも。
ここでは、マイクロ法人を設立する前に必ず検討し、明確にしておくべき重要なポイントを解説します。
これらの準備をしっかり行うことで、スムーズな法人設立と、その後の安定した運営につながります。
マイクロ法人設立の目的を明確にする
なぜマイクロ法人を設立したいのか、その目的を具体的に定めることが最初のステップです。
目的が明確であれば、会社形態の選択や事業計画の策定、さらには設立後の運営方針もスムーズに決まります。
副業でマイクロ法人を設立する主な目的としては、以下のようなものが考えられます。
- 節税効果を期待する: 個人事業主よりも経費として認められる範囲が広がり、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。また、役員報酬を活用することで所得分散も可能です。
- 社会保険料の最適化: 役員報酬の設定次第では、個人事業主として国民健康保険や国民年金に加入するよりも、社会保険料の負担を抑えられる場合があります。
- 社会的信用の向上: 法人格を持つことで、取引先や金融機関からの信用度が高まることが期待できます。特にBtoBの副業を行う場合、法人格が有利に働くことがあります。
- 事業拡大の足がかり: 将来的に副業を本業にしたい、あるいは事業を大きく成長させたいと考えている場合、マイクロ法人はその第一歩となり得ます。
- 資産管理の明確化: 個人と事業の資産を明確に分けることで、適切な資産管理とリスク分散が図れます。
これらの目的のうち、ご自身が最も重視するものは何か、そしてそれはマイクロ法人という形態で本当に達成できるのかをじっくり検討しましょう。
例えば、単に「節税したい」というだけでなく、「どの程度の節税効果を見込み、そのためにどのような事業運営を行うのか」まで具体的にイメージすることが重要です。
会社形態の選択 株式会社と合同会社
マイクロ法人を設立する際、主な会社形態として「株式会社」と「合同会社」の2つが挙げられます。
それぞれに特徴があり、設立費用や運営の自由度、社会的信用度などが異なります。
ご自身の事業規模や目的、将来の展望などを考慮して、最適な形態を選択しましょう。
以下に、株式会社と合同会社の主な違いをまとめました。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
設立費用(法定費用) | 約20万円~(定款認証約5万円、登録免許税15万円~) | 約6万円~(登録免許税6万円~、定款認証は不要) |
社会的信用度 | 一般的に高い | 株式会社に比べるとやや低いとされる場合があるが、近年は認知度向上 |
役員の任期 | 原則2年(最長10年まで伸長可能) | 任期なし(定款で定めることも可能) |
意思決定機関 | 株主総会、取締役会(設置する場合) | 原則として社員総会(社員全員の同意) |
利益の配分 | 出資比率(株式数)に応じて配当 | 定款で自由に決定可能(出資比率によらない配分も可) |
資金調達 | 株式発行による増資が可能 | 社員の追加出資が基本(社債発行も可能だが一般的ではない) |
マイクロ法人の場合、設立費用や運営の柔軟性の観点から合同会社が選ばれるケースが多い傾向にあります。
特に一人社長で、外部からの大規模な資金調達を当面考えていないのであれば、合同会社は有力な選択肢となるでしょう。
一方で、将来的に事業を拡大し、外部からの出資を受け入れたい、あるいは上場を目指したいといった明確なビジョンがある場合は、株式会社を選択する方が適しています。
資本金はいくら必要か
会社設立時の資本金は、2006年の会社法施行により、法律上は1円からでも設立が可能になりました。
これにより、資金的なハードルは大幅に下がりました。
しかし、資本金が1円で問題ないかというと、一概にはそう言えません。
資本金は、会社の体力や信用度を示す一つの指標となります。
資本金が極端に少ない場合、以下のような点を考慮する必要があります。
- 対外的な信用: 取引先や金融機関によっては、資本金の額を信用度の一つの判断材料とすることがあります。特に新規取引の場合、資本金が少ないと不安視される可能性も否定できません。
- 初期の運転資金: 会社設立直後は、売上が安定するまで時間がかかることがあります。資本金は、設立費用だけでなく、当面の運転資金(事務所家賃、仕入れ費用、役員報酬など)を賄うためにも重要です。
- 許認可事業: 一部の許認可が必要な事業(建設業、人材派遣業など)では、最低資本金額が定められている場合があります。該当する事業を行う場合は、事前に確認が必要です。
では、具体的にいくら用意すればよいのでしょうか。
一律の基準はありませんが、一般的には「設立にかかる諸費用 + 3ヶ月~6ヶ月程度の運転資金」が一つの目安とされています。
設立する会社の事業内容や規模、初期投資の必要性などを考慮し、無理のない範囲で適切な金額を設定しましょう。
なお、資本金は後から増資することも可能ですが、手続きと費用が発生します。
役員構成と事業目的の決定
会社の基本的な骨格となる役員構成と事業目的を決定します。
これらは定款に記載する重要な事項です。
役員構成
マイクロ法人の場合、設立者自身が代表取締役となる一人社長の形態が一般的です。
株式会社の場合は取締役1名以上、合同会社の場合は業務執行社員1名以上で設立可能です。
家族を役員にすることも可能ですが、その場合は役員報酬の支払いや社会保険の加入義務などを考慮する必要があります。
メリット・デメリットを比較検討し、最適な役員構成を決定しましょう。
事業目的
事業目的は、その会社がどのような事業を行うのかを具体的に示すものです。
定款に記載された事業目的の範囲内でしか、会社は事業活動を行うことができません。
事業目的を決定する際のポイントは以下の通りです。
- 具体性・明確性: 誰が見てもどのような事業か理解できるように、具体的かつ明確に記載します。
- 適法性: 公序良俗に反する目的や、法律で禁止されている事業は記載できません。
- 営利性: 会社は営利を目的とする法人ですので、営利性のある事業目的を記載します。
- 将来性: 現在行っている事業だけでなく、将来的に展開する可能性のある事業も幅広く記載しておくことをお勧めします。後から事業目的を追加するには、定款変更の手続きが必要となり、登録免許税(3万円)もかかります。
例えば、副業でWebライティングを行う場合、「記事作成業務」「コンテンツマーケティング支援業務」「ウェブサイトの企画、制作及び運営」といった目的が考えられます。
その他、関連する可能性のある事業(例:「セミナー、研修の企画及び運営」「コンサルティング業務」など)も入れておくと、事業範囲が広がった際に柔軟に対応できます。
許認可が必要な事業(例:古物商、飲食業、旅行業など)を行う場合は、その許認可の要件に合致した事業目的を正確に記載する必要があります。
事前に管轄の行政庁に確認しておくと安心です。
マイクロ法人の作り方 具体的な設立手順

マイクロ法人の設立は、適切な手順を踏めば個人でも行うことが可能です。
しかし、書類作成や手続きが煩雑に感じる場合は、司法書士などの専門家に依頼することも一つの選択肢です。
ここでは、ご自身でマイクロ法人を設立する際の具体的な手順を5つのステップに分けて詳しく解説します。
ステップ1 定款の作成と認証
会社の憲法ともいえる「定款(ていかん)」の作成は、法人設立における最初の重要なステップです。
定款には、会社の基本的なルールや運営方針を定めます。
定款に記載すべき事項
定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」、記載がなければ効力が生じない「相対的記載事項」、任意で記載できる「任意的記載事項」があります。
主な記載事項は以下の通りです。
区分 | 主な記載事項 | 備考 |
---|---|---|
絶対的記載事項 | 商号(会社名)、事業目的、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称および住所 | これらが一つでも欠けると定款自体が無効になります。 |
相対的記載事項 | 株式の譲渡制限に関する規定、役員の任期、株主総会の招集通知期間の短縮、現物出資に関する事項など | 定款に記載することで初めて効力が生じます。 |
任意的記載事項 | 事業年度、取締役の員数、定時株主総会の招集時期など | 法律の範囲内であれば自由に定めることができます。 |
定款の作成は、法務局のウェブサイトで公開されている記載例や、会社設立支援サービスのテンプレートなどを参考にすると良いでしょう。
ただし、ご自身の事業内容や将来の展望に合わせてカスタマイズすることが重要です。
定款の認証(株式会社の場合)
株式会社を設立する場合、作成した定款は公証役場で公証人による認証を受ける必要があります。
認証には以下のものが必要です。
- 作成した定款(3通)
- 発起人全員の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 発起人全員の実印
- 収入印紙(電子定款の場合は不要)
- 認証手数料(通常5万円程度)
- 委任状(代理人が手続きする場合)
電子定款を利用すれば、紙の定款に必要な収入印紙代4万円が不要になるため、設立費用を抑えたい方におすすめです。
電子定款の作成には専用ソフトや電子署名が必要となるため、ご自身での対応が難しい場合は専門家に依頼することも検討しましょう。
一方、合同会社の場合は、定款の作成は必要ですが、公証人による認証は不要です。
この点が株式会社との大きな違いの一つです。
ステップ2 資本金の払い込み
定款の作成(株式会社の場合は認証)が完了したら、次に資本金を払い込む手続きを行います。
資本金は、会社設立後の運転資金や事業資金となる大切なお金です。
払い込み方法
資本金の払い込みは、発起人(株式会社の場合)または社員(合同会社の場合)個人の銀行口座に対して行います。
会社設立前はまだ法人口座が存在しないため、代表となる人の個人口座を使用するのが一般的です。
払い込みが完了したら、その証明として以下の書類を準備します。
- 払込があったことを証する書面(払込証明書)
- 払い込みが確認できる通帳のコピー(表紙、銀行名・支店名・口座番号・口座名義人が記載されたページ、実際に振り込まれた金額が記帳されたページ)
一時的に資金を借り入れて資本金とし、登記後にすぐ引き出して返済する「見せ金」は違法ですので絶対に行わないでください。
資本金は1円から設立可能ですが、事業の規模や初期費用、対外的な信用度などを考慮して適切な金額を設定することが望ましいです。
具体的な資本金額の検討については、前章「副業でマイクロ法人を作る前に知っておくべきこと」も参考にしてください。
ステップ3 登記申請書類の準備
資本金の払い込みが完了したら、法務局へ提出する登記申請書類を準備します。
会社形態(株式会社か合同会社か)によって必要な書類が異なりますので注意が必要です。
主な必要書類(株式会社の例)
株式会社を設立する場合の主な必要書類は以下の通りです。
具体的な状況によって追加書類が必要になることもあります。
- 登記申請書
- 定款(公証人による認証済みのもの)
- 発起人の決定書(または発起人会議事録)
- 取締役の就任承諾書
- 代表取締役の就任承諾書(取締役会を設置しない場合は不要なことも)
- 監査役の就任承諾書(監査役を設置する場合)
- 発起人及び役員の印鑑証明書
- 資本金の払込証明書
- 印鑑届書(会社実印の登録)
- 登記すべき事項を記録したCD-RまたはOCR用紙(オンライン申請の場合は不要なことも)
- 委任状(司法書士などに依頼する場合)
主な必要書類(合同会社の例)
合同会社を設立する場合の主な必要書類は以下の通りです。
- 登記申請書
- 定款(公証人の認証は不要)
- 代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面
- 代表社員の就任承諾書
- 社員全員の印鑑証明書
- 資本金の払込証明書
- 印鑑届書(会社実印の登録)
- 登記すべき事項を記録したCD-RまたはOCR用紙(オンライン申請の場合は不要なことも)
- 委任状(司法書士などに依頼する場合)
これらの書類は、法務局のウェブサイトでテンプレートや記載例が公開されています。
書類に不備があると登記申請が受理されない、または補正が必要になるため、慎重に作成・確認しましょう。
特に、押印漏れや日付の記載ミスなどには注意が必要です。
書類作成に不安がある場合は、無理せず司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
ステップ4 法務局への登記申請
登記申請書類一式が準備できたら、いよいよ法務局へ登記申請を行います。
登記申請日が会社の設立日となります。
申請先
登記申請は、設立する会社の本店所在地を管轄する法務局に対して行います。
管轄の法務局は、法務局のウェブサイトで確認できます。
申請方法
申請方法には、以下の3つがあります。
- 窓口申請: 法務局の窓口に直接書類を持参して申請する方法です。不備があればその場で指摘してもらえる可能性があります。
- 郵送申請: 書類一式を法務局宛に郵送する方法です。遠方の場合や窓口に行く時間がない場合に便利です。書留郵便で送付しましょう。
- オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム): インターネット経由で申請する方法です。専用ソフトのインストールや電子証明書の取得が必要になりますが、一部の登録免許税が軽減される場合があります。
登録免許税
登記申請時には、登録免許税を納付する必要があります。
税額は会社形態や資本金の額によって異なります。
- 株式会社: 資本金の額 × 0.7% (この計算で15万円に満たない場合は、一律15万円)
- 合同会社: 資本金の額 × 0.7% (この計算で6万円に満たない場合は、一律6万円)
登録免許税は、収入印紙を購入し、申請書に貼付して納付します。
登記完了までの期間
登記申請後、書類に不備がなければ、通常1週間から2週間程度で登記が完了します。
法務局の混雑状況によって期間は変動します。
登記が完了すると、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)や印鑑証明書が取得できるようになります。これらは法人口座の開設や各種契約手続きに必要となる重要な書類です。
ステップ5 設立後の各種届出 税務署や年金事務所へ
法務局への登記申請が完了し、会社が設立された後も、さまざまな行政機関への届出が必要です。
これらの届出は、期限が定められているものが多く、遅れるとペナルティが発生する可能性もあるため、速やかに行いましょう。
主な届出先と提出書類
マイクロ法人設立後に必要となる主な届出先と書類は以下の通りです。
提出期限にも注意してください。
届出先 | 主な提出書類 | 提出期限の目安 |
---|---|---|
税務署 | 法人設立届出書 | 設立の日から2ヶ月以内 |
青色申告の承認申請書 | 設立第1期目から青色申告の適用を受ける場合、設立の日以後3ヶ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで | |
給与支払事務所等の開設届出書 | 役員報酬や従業員給与を支払う場合、給与支払事務所を設けてから1ヶ月以内 | |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | (任意)適用を受けたい月の前月末日まで | |
都道府県税事務所 市区町村役場 | 法人設立届出書(事業開始等申告書) | 自治体により異なる(例:設立の日から15日以内、1ヶ月以内など)。必ず各自治体の情報を確認してください。 |
年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 法人設立(事実発生)から5日以内 |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 | 役員や従業員が加入する場合、事実発生から5日以内 | |
労働基準監督署 (従業員を雇用する場合) | 労働保険関係成立届 | 従業員を雇用した日の翌日から10日以内 |
労働保険概算保険料申告書 | 保険関係成立の日から50日以内 | |
ハローワーク (従業員を雇用する場合) | 雇用保険適用事業所設置届 | 従業員を雇用した日の翌日から10日以内 |
雇用保険被保険者資格取得届 | 従業員を雇用した月の翌月10日まで |
上記以外にも、事業内容によっては許認可の申請や関連団体への届出が必要になる場合があります。
ご自身の事業に合わせて必要な手続きを確認しましょう。
特に、マイクロ法人であっても、社長一人でも社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入は原則として義務となります。
手続きが複雑に感じる場合は、社会保険労務士などの専門家に相談することも有効です。
これらの届出を正確に行うことで、スムーズな法人運営のスタートを切ることができます。
マイクロ法人設立後の運営と副業のポイント

マイクロ法人を設立した後は、適切な運営と、副業としてバランスを取りながら活動していくことが重要です。
ここでは、設立後の経理・会計処理、税金、社会保険の手続き、そして副業として運営する上での注意点を具体的に解説します。
経理と会計処理の基本 freeeやマネーフォワードの活用
マイクロ法人の運営において、経理と会計処理は避けて通れない業務です。
日々の取引を正確に記録し、法令に基づいた会計処理を行うことは、健全な法人運営の基礎となります。
特に副業でマイクロ法人を運営する場合、経理業務の効率化は時間創出の観点からも非常に重要です。
近年では、簿記の専門知識がなくても比較的簡単に扱えるクラウド会計ソフトが主流となっています。代表的なものとして、「freee会計」や「マネーフォワード クラウド会計」などがあります。
- freee会計:UI/UXに優れ、簿記初心者でも直感的に操作しやすいのが特徴です。銀行口座やクレジットカードとの連携機能も充実しており、取引データの自動取り込みや自動仕訳提案により、入力作業を大幅に削減できます。
- マネーフォワード クラウド会計:連携できる金融機関やサービスの数が豊富で、幅広い業種に対応可能です。仕訳のカスタマイズ性も高く、ある程度簿記の知識がある方にとってはより柔軟な会計処理が可能です。
これらの会計ソフトを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- 日々の取引入力の自動化・効率化
- リアルタイムでの経営状況の把握
- 決算書や法人税申告書の作成支援
- 法改正への自動対応
会計ソフトを選ぶ際は、ご自身のITリテラシー、事業規模、必要な機能、料金プランなどを比較検討し、最適なものを選びましょう。
また、日々の領収書や請求書は整理して保管し、定期的に会計ソフトへ入力する習慣をつけることが大切です。
税金の種類と節税対策
マイクロ法人を運営すると、個人事業主とは異なる種類の税金を納めることになります。
主な税金と、基本的な節税対策について理解しておきましょう。
税金の種類 | 概要 | 納付先 |
---|---|---|
法人税 | 法人の所得に対して課される国税です。所得が赤字の場合は原則として課税されません。 | 税務署 |
法人住民税 | 法人の所得に応じて課される「法人税割」と、所得に関わらず資本金等の額に応じて課される「均等割」からなる地方税です。赤字でも均等割は発生します(最低でも年間7万円程度)。 | 都道府県・市区町村 |
法人事業税 | 法人の所得に対して課される地方税です。所得が赤字の場合は原則として課税されません(一部例外あり)。 | 都道府県 |
消費税 | 売上にかかる消費税から、仕入れ等にかかった消費税を差し引いた差額を納付する国税・地方税です。原則として、設立1期目と2期目は免税事業者となりますが、課税売上高や資本金の額によっては課税事業者となる場合があります。 | 税務署 |
固定資産税 | 土地や建物、償却資産を所有している場合に課される地方税です。 | 市区町村 |
節税対策としては、以下のようなものが考えられます。
- 経費の適切な計上:事業に関連する支出は漏れなく経費として計上することで、課税所得を圧縮できます。
- 役員報酬の活用:役員報酬は損金算入できるため、適切な金額設定により法人税の節税につながります。ただし、個人の所得税・住民税・社会保険料とのバランスも考慮が必要です。(詳細は第5章で解説)
- 小規模企業共済への加入:経営者個人の退職金制度であり、掛金が全額所得控除の対象となります。
- 経営セーフティ共済(倒産防止共済)への加入:取引先の倒産に備える制度で、掛金は損金算入できます。
- 赤字の繰越控除:青色申告をしている場合、発生した赤字(欠損金)を最大10年間繰り越し、翌年度以降の黒字と相殺できます。
税金の計算や申告は複雑なため、不安な場合は税理士に相談することを強くおすすめします。
適切なアドバイスを受けることで、無駄な税金を支払うリスクを減らし、効果的な節税対策を講じることができます。
社会保険への加入手続き
マイクロ法人を設立し、役員報酬を支払う場合、原則として社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が義務付けられます。
これは、たとえ社長一人だけの法人であっても同様です。
社会保険への加入は、法人の義務であり、個人の任意加入ではありません。
加入手続きを怠ると、遡って保険料を請求されたり、延滞金が発生したりする可能性があるため注意が必要です。
主な手続きの流れは以下の通りです。
- 「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」の提出:法人設立から5日以内に、管轄の年金事務所へ提出します。登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピーなどが必要になります。
- 「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の提出:役員や従業員が加入資格を得た日から5日以内に、年金事務所へ提出します。
- 保険料の納付:毎月、会社負担分と個人負担分を合わせて納付します。
社会保険料は、役員報酬の額(標準報酬月額)に基づいて決定されます。
役員報酬の額によって社会保険料が大きく変動するため、資金繰りにも影響します。
設立前に、どの程度の社会保険料負担が発生するのかをシミュレーションしておくことが重要です。
副業でマイクロ法人を運営する場合、本業の勤務先でも社会保険に加入しているケースが多いでしょう。
その場合でも、マイクロ法人から役員報酬を得ていれば、マイクロ法人でも社会保険に加入し、保険料を二重に支払うことになります(ただし、健康保険の給付は一本化されます)。
手続きに必要な書類や詳細は、日本年金機構のウェブサイトで確認するか、管轄の年金事務所に問い合わせましょう。
副業としてマイクロ法人を運営する際の注意点
副業でマイクロ法人を運営する場合、本業とのバランスや法的な側面に注意が必要です。
- 本業の就業規則の確認:まず、本業の勤務先の就業規則で副業が許可されているかを確認しましょう。副業禁止規定がある場合や、許可制の場合は、無断でマイクロ法人を設立・運営すると懲戒処分の対象となる可能性があります。事前に人事担当者や上司に相談し、必要な手続きを踏むことが賢明です。
- 住民税からの副業バレ対策:副業が会社に知られるきっかけの一つに住民税の通知があります。マイクロ法人から役員報酬を得ると、その所得に対する住民税が本業の給与から天引きされる(特別徴収)ことで、会社に所得の増加が伝わる可能性があります。対策として、役員報酬にかかる住民税の徴収方法を「普通徴収」(自分で納付する方式)にできないか、自治体に確認してみましょう。ただし、給与所得がある場合、原則として特別徴収となるため、必ずしも普通徴収が認められるわけではありません。
- 時間管理と業務量のバランス:副業に時間を割きすぎると、本業に支障が出たり、健康を害したりする可能性があります。無理のない範囲で事業計画を立て、効率的に業務を進める工夫が求められます。マイクロ法人の業務(経理、営業、実務など)と本業の業務、そしてプライベートの時間をしっかりと管理しましょう。
- 確定申告の二重対応:マイクロ法人の経営者として、法人税等の確定申告が必要です。それに加えて、個人としても、マイクロ法人から得た役員報酬や、本業の給与所得、その他の所得(もしあれば)を合算して所得税の確定申告を行う必要があります。法人と個人の両方で確定申告が必要になることを理解しておきましょう。
- 情報管理の徹底:本業で得た情報やノウハウを、マイクロ法人の事業に無断で使用することは、情報漏洩や競業避止義務違反にあたる可能性があります。本業と副業の情報を明確に区別し、適切に管理することが重要です。
副業でのマイクロ法人運営は、節税メリットや事業拡大の可能性を秘めていますが、本業との両立には計画性と自己管理、そして法的な知識が不可欠です。
慎重に準備を進め、無理のない範囲でスタートしましょう。
マイクロ法人のメリットを最大限に活かす運営のコツ

マイクロ法人を設立しただけでは、そのメリットを十分に享受することはできません。
ここでは、設立後の運営において、マイクロ法人の利点を最大限に引き出すための具体的なコツを解説します。
賢い運営方法を身につけ、副業としてのマイクロ法人を成功に導きましょう。
経費計上の範囲を理解する
マイクロ法人の大きなメリットの一つが、経費として認められる範囲が個人事業主よりも広がる可能性があることです。
しかし、何でも経費にできるわけではありません。
事業との関連性を明確にし、社会通念上妥当な金額であることが大前提となります。
経費計上の範囲を正しく理解し、適切に処理することが節税の第一歩です。
具体的に経費として計上できる可能性のある主な項目は以下の通りです。
- 事務所関連費:自宅兼事務所の場合の家賃、水道光熱費、通信費などを事業使用割合に応じて按分した費用。按分基準は合理的である必要があります。
- 旅費交通費:事業目的の出張にかかる交通費、宿泊費、日当(社内規程に基づく)など。
- 接待交際費:取引先との飲食代など。ただし、資本金1億円以下の法人の場合、飲食費の50%または年間800万円までのいずれか大きい金額が損金算入の上限となります。
- 会議費:社内外との打ち合わせにかかる費用(飲食代含むが、一人あたり5,000円以下などの基準あり)。
- 広告宣伝費:ウェブサイト作成費、名刺作成費、リスティング広告費など。
- 消耗品費:文房具、コピー用紙、少額の備品(10万円未満または使用可能期間が1年未満のもの)など。
- 新聞図書費:業務に関連する書籍、雑誌、新聞の購入費用。
- 福利厚生費:従業員(役員も含む)のための費用。ただし、役員一人のみのマイクロ法人では認められる範囲が限定的になる場合があります。例えば、健康診断費用や慶弔見舞金などが該当します。
- 支払手数料:銀行振込手数料、専門家(税理士、司法書士など)への報酬。
- 車両関連費:業務で使用する車両のガソリン代、駐車場代、自動車税、保険料、車検費用、減価償却費など。事業使用割合に応じた按分が必要です。
- 役員社宅:役員に社宅を提供する場合、一定の計算方法で算出した賃料相当額以上を役員から徴収すれば、差額を福利厚生費として経費計上できます。これは大きな節税効果が期待できる項目の一つです。
経費計上の際は、必ず領収書や請求書、契約書などの証拠書類を保管してください。
税務調査の際にこれらの書類がなければ、経費として認められない可能性があります。
また、クレジットカードの明細や銀行の取引履歴も重要な記録となります。
個人事業主と比較して、法人では生命保険料の一部(役員保険など、一定の条件を満たすもの)を経費にできたり、退職金制度(小規模企業共済とは別)を設けて役員退職金を損金算入できる可能性があるなど、メリットがあります。
ただし、これらの適用には詳細な条件があるため、専門家への確認が推奨されます。
役員報酬の最適な設定方法
役員報酬の設定は、マイクロ法人の節税戦略において非常に重要なポイントです。
役員報酬は法人の経費(損金)となり、受け取る個人にとっては給与所得となるため給与所得控除が適用されます。
この仕組みをうまく活用することで、法人税と個人の所得税・住民税の双方で節税効果が期待できます。
役員報酬を設定する際の重要なルールは以下の通りです。
- 定期同額給与:毎月決まった日に、決まった金額を支給する方法です。原則として、事業年度開始の日から3ヶ月以内に決定し、その事業年度中は同額を支給し続ける必要があります。期中に自由に変更すると、変更後の増額分などが損金として認められないリスクがあります。
- 事前確定届出給与:役員賞与のように、特定の時期にまとまった金額を支給する場合、事前に税務署へ「事前確定届出給与に関する届出書」を提出し、その届出通りに支給する必要があります。
- 業績連動給与:利益の状況に応じて支給額が変動する給与ですが、中小企業での適用は手続きが複雑なため、マイクロ法人では一般的ではありません。
最適な役員報酬の金額は、法人の利益予測、個人の所得税・住民税の税率、社会保険料の負担額、そして経営者自身の生活費などを総合的に考慮して決定します。
社会保険料は、役員報酬の金額(標準報酬月額)に基づいて計算されるため、役員報酬を高く設定すると社会保険料の負担も増加します。
法人負担分と個人負担分の両方を考慮し、バランスの取れた金額を設定することが肝要です。
例えば、役員報酬を低く抑えれば社会保険料負担は軽減されますが、法人の利益が多く残り法人税が高くなる可能性があります。
逆に高く設定しすぎると、個人の所得税・住民税や社会保険料負担が増大し、法人の資金繰りを圧迫する可能性もあります。
また、不相当に高額な役員報酬は税務署から否認されるリスクもあるため、同業他社の水準や事業規模に見合った金額に設定することが求められます。
以下に役員報酬の主なメリットと注意点をまとめます。
メリット | 注意点・デメリット |
---|---|
給与所得控除が適用され、個人の所得税・住民税が軽減される。 | 社会保険への加入が必須となり、法人・個人双方に保険料負担が発生する。 |
役員報酬は法人の経費(損金)となり、法人税の節税につながる。 | 原則として定期同額給与であり、事業年度中の自由な変更は難しい。 |
社会保険料の法人負担分も法人の経費(損金)になる。 | 不相当に高額な役員報酬は、損金算入が否認されるリスクがある。 |
将来受け取る厚生年金額が増える可能性がある。 | 役員報酬額によっては、扶養から外れる場合がある(配偶者など)。 |
役員報酬のシミュレーションを行い、税理士などの専門家と相談しながら最適な金額を決定することをおすすめします。
外部専門家 税理士の活用も検討
マイクロ法人の運営は、個人事業主と比較して経理処理や税務申告が複雑になります。
帳簿付け、決算書の作成、法人税申告書の作成など、専門的な知識が求められる場面が多くあります。
これらの業務を経営者自身が行うことも可能ですが、時間と手間がかかり、誤りが生じた場合には追徴課税や加算税のリスクも伴います。
そこで有効なのが、税理士などの外部専門家の活用です。
税理士に依頼できる主な業務には以下のようなものがあります。
- 記帳代行・月次レビュー:日々の取引の記帳や、会計ソフトへの入力内容のチェック。
- 決算申告業務:決算書の作成、法人税・地方税・消費税の申告書作成と提出。
- 年末調整・法定調書作成:役員報酬にかかる年末調整、支払調書などの作成と提出。
- 税務相談・節税アドバイス:日常的な税務に関する相談、効果的な節税策の提案。
- 税務調査対応:税務調査が入った際の立会い、税務署との折衝。
税理士に依頼するメリットは多岐にわたります。
- 正確性の確保:専門家による正確な経理処理と税務申告により、申告漏れや計算ミスを防ぐことができます。
- 節税効果:最新の税制に基づいた適切な節税アドバイスを受けることで、無駄な税金を支払うリスクを減らせます。
- 本業への集中:煩雑な経理・税務業務を専門家に任せることで、経営者は本業に専念できます。
- 経営判断のサポート:月次試算表などを通じて経営状況を客観的に把握し、的確なアドバイスを受けることで、より良い経営判断が可能になります。
- 安心感:税務調査などの際に専門家が間に入ることで、安心して対応できます。
税理士を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
- マイクロ法人や副業の事情に詳しいか、実績があるか。
- 料金体系が明確で、予算に見合っているか(顧問料、決算料など)。
- コミュニケーションがスムーズで、相談しやすいか。レスポンスの速さも重要です。
- クラウド会計ソフト(例:freee会計、マネーフォワード クラウド会計)の利用に積極的か、対応しているか。
費用を抑えたい場合は、全ての業務を依頼するのではなく、決算申告のみを依頼する、あるいは自身でクラウド会計ソフトを使って記帳し、税理士にはレビューや相談、申告業務のみを依頼するといった方法も考えられます。
税理士への報酬も法人の経費として計上できるため、費用対効果を考慮して検討しましょう。
無料相談を実施している税理士事務所も多いので、まずは相談してみることをお勧めします。
まとめ
副業でのマイクロ法人設立は、節税や社会保険料負担の軽減といった大きなメリットを享受できる可能性があります。
本記事で解説した設立手順や、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを活用した運営のコツを参考に、計画的に準備を進めましょう。
目的を明確にし、適切な会社形態を選び、専門家の助けも借りながら、マイクロ法人のメリットを最大限に活かして副業を成功させましょう。