【2026年最新版】トク社保とは?加入条件やメリット・デメリットを専門家がわかりやすく徹底解説

フリーランスや個人事業主として活動する中で、社会保険料の負担を少しでも軽くしたいと考えていませんか?

この記事を読めば、話題の「トク社保」がどのような制度で、国民健康保険と何が違うのかが明確にわかります。

保険料が安くなる可能性や将来の年金が増えるといった5つのメリットと、加入前に知るべき注意点を専門家が徹底比較。

あなたがトク社保に加入すべきかどうかの判断基準が手に入ります。

結論として、トク社保は条件に合う方には大きなメリットがありますが、すべての人に最適なわけではありません。
その理由と具体的な加入条件を詳しく解説します。

トク社保とは そもそもどんな制度か

「トク社保」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、主にフリーランスや個人事業主の方々を対象とした、社会保険への新しい加入方法の通称です。

通常、フリーランスや個人事業主は国民健康保険(国保)と国民年金に加入しますが、保険料の負担が大きい、保障内容が会社員と比べて手薄であるといった悩みを抱える方が少なくありません。

トク社保は、こうした悩みを解決する選択肢として注目されています。

具体的には、フリーランスや個人事業主が特定の一般社団法人などに加入し、その法人の役員や従業員という形で、会社の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する仕組みを指します。
これにより、会社員と同様の手厚い社会保険制度の恩恵を受けられる可能性があるのです。

この記事の冒頭では、この「トク社保」が一体どのような制度なのか、その基本的な仕組みと、多くの方が加入している国民健康保険との違いについて、専門家の視点からわかりやすく解説していきます。

トク社保の仕組みをわかりやすく解説

トク社保の仕組みは、一見すると少し複雑に感じるかもしれません。
しかし、基本的な構造を理解すれば決して難しいものではありません。

ポイントは「一般社団法人」のような法人を介して社会保険に加入する、という点です。

具体的な流れは以下のようになります。

  1. 一般社団法人への加入
    まず、フリーランス・個人事業主として活動している方が、トク社保のサービスを提供している一般社団法人などに「理事」や「社員」として加入します。
  2. 法人役員・従業員としての社会保険加入
    法人に所属することで、あなたは「個人事業主」から「法人の役員または従業員」という立場になります。法人は社会保険の適用事業所であるため、所属する役員・従業員として健康保険と厚生年金保険に加入することができます。
  3. 保険料の支払い
    保険料は、あなたの報酬(標準報酬月額)に基づいて計算され、法人が給与から天引きする形で徴収します。そして、その保険料を法人がまとめて国(年金事務所)や健康保険組合に納付します。

この仕組みにより、個人では加入資格のない「健康保険組合」や「厚生年金」に加入できるのが、トク社保の最大の特徴です。

活動実態はフリーランスのままで、社会保険の身分だけを会社員に近い形にできる、画期的な選択肢と言えるでしょう。

国民健康保険や会社の社会保険との違い

では、トク社保は、これまでフリーランスの標準だった「国民健康保険+国民年金」の組み合わせや、会社員が加入する「会社の社会保険」と、具体的に何が違うのでしょうか。

それぞれの特徴を比較表で整理してみましょう。

項目トク社保国民健康保険+国民年金会社の社会保険
主な加入対象者フリーランス・個人事業主など自営業者・フリーランス・無職の方など会社員・公務員など
医療保険健康保険(主にIT系健康保険組合など)国民健康保険健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)
年金制度厚生年金保険(国民年金を含む)国民年金のみ厚生年金保険(国民年金を含む)
保険料の決まり方標準報酬月額に基づく定額(所得の増減に影響されにくい)前年の所得に応じて変動(所得が増えると保険料も上がる)標準報酬月額に基づく定額(会社と折半)
扶養の概念あり(配偶者や子供を追加保険料なしで扶養に入れられる)なし(家族一人ひとりが被保険者となり保険料が発生)あり(条件を満たせば扶養に入れる)
傷病手当金ありなし(一部自治体で独自の制度あり)あり
出産手当金ありなしあり

この表からわかるように、トク社保はフリーランスでありながら、保障内容や制度面で会社員が加入する社会保険に非常に近いメリットを享受できるのが大きな違いです。

特に、国民健康保険にはない「扶養」の概念がある点は、ご家族がいる方にとって非常に大きな魅力となります。

配偶者やお子様がいる場合でも、ご自身の保険料だけで家族全員が健康保険の保障を受けられるため、世帯全体での保険料負担を大幅に軽減できる可能性があります。
また、将来の年金が国民年金のみの場合と比べて手厚くなる「厚生年金」に加入できる点も、老後の安心につながる重要なポイントです。

トク社保

トク社保の加入条件をチェックしよう

トク社保は、フリーランスや個人事業主にとって保険料の負担を大きく軽減できる可能性がある、非常に魅力的な制度です。
しかし、残念ながら誰でも無条件で加入できるわけではありません。

加入するためには、運営団体である「一般社団法人ITフリーランス支援機構」が定めるいくつかの条件をクリアする必要があります。

ご自身が対象となるのか、ここでしっかりと確認していきましょう。

もし条件を満たしていれば、国民健康保険から切り替えることで大きなメリットを得られるかもしれません。

対象となるフリーランスや個人事業主

トク社保に加入できるのは、原則としてIT業界で活動するフリーランス・個人事業主、または一人社長です。

まずは、基本的な加入条件を以下の表で確認してください。

項目具体的な条件
職種IT関連の業務に従事しているフリーランス、個人事業主、または法人経営者(一人社長)。
具体的な職種は後述します。
年齢申込時点で満20歳以上、満60歳未満であること。
居住地日本国内に住民票があること。
海外在住者は対象外となります。
事業形態個人事業主として開業届を提出しているか、自身が代表を務める法人(一人社長など)を設立していること。
健康状態加入する健康保険組合(ITS関東ITソフトウェア健康保険組合)の審査基準を満たす健康状態であること。
持病や既往歴によっては加入できない場合があります。

特に重要なのが「職種」の要件です。

トク社保はITフリーランスを支援するための制度であるため、ご自身の業務内容がITに関連している必要があります。

具体的には、以下のような職種の方々が対象となります。

  • システムエンジニア(SE)
  • プログラマー
  • Webデザイナー
  • UI/UXデザイナー
  • Webディレクター
  • プロジェクトマネージャー(PM)
  • ITコンサルタント
  • Webマーケター(SEO、広告運用など)
  • データサイエンティスト
  • Webライター、テクニカルライター

上記はあくまで一例です。

ご自身の専門スキルを用いてIT関連のサービスを提供し、生計を立てている方であれば、対象となる可能性が高いと言えるでしょう。

加入できない場合の具体例

一方で、残念ながらトク社保の加入対象外となるケースも存在します。

ご自身が以下の例に当てはまっていないか、事前に必ず確認してください。

後から加入できないことが判明すると、手続きの時間が無駄になってしまう可能性があります。

  • IT関連以外の職種の方
    飲食店経営者、建設業の一人親方、美容師、インストラクター、せどり・転売事業者など、主たる業務がITと関連しない場合は加入できません。
  • 会社員として社会保険に加入している方
    日本の公的医療保険制度では、複数の健康保険に同時に加入することはできません。そのため、会社員として勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している方は対象外です。副業でITフリーランスとして活動していても、本業が会社員であれば加入はできません。
  • 年齢条件を満たさない方
    申込時点で満20歳未満の方、または満60歳以上の方は加入することができません。
  • 健康状態に懸念がある方
    トク社保で加入するのは「ITS関東ITソフトウェア健康保険組合」です。加入にあたっては健康状態に関する告知が必要となり、その内容によっては組合の判断で加入が認められない場合があります。
  • 無職の方・学生の方
    トク社保は、事業を行うフリーランスや個人事業主を対象とした制度です。そのため、現在事業を行っていない無職の方や、学業が本分である学生の方は加入できません。

このように、トク社保には明確な加入条件が定められています。

加入を検討する第一歩として、ご自身の現在の働き方や状況がこれらの条件を満たしているかを見極めることが非常に重要です。

もし判断に迷う場合は、安易に自己判断せず、公式サイトの情報などを確認することをおすすめします。

トク社保

トク社保に加入する5つのメリット

フリーランスや個人事業主にとって、社会保険は大きな課題の一つです。

国民健康保険料の負担が大きい、将来の年金が不安、といった悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

トク社保は、こうした悩みを解決できる可能性を秘めた選択肢です。

ここでは、トク社保に加入することで得られる具体的な5つのメリットを、専門家の視点から詳しく解説します。

国民健康保険料よりも安くなる可能性がある

トク社保に加入する最大のメリットの一つが、年間の社会保険料負担を大幅に軽減できる可能性があることです。
特に、所得が高いフリーランスの方ほど、その恩恵は大きくなります。

国民健康保険料は、前年の所得に応じて算出されるため、収入が増えれば増えるほど保険料も高くなります。

自治体によっては上限が年間100万円を超えるケースも珍しくありません。

一方、トク社保で加入する社会保険の保険料は、所得全体ではなく「標準報酬月額」という基準で決まります。
これは、会社から受け取る役員報酬などの金額に応じて定められるものです。

トク社保のスキームでは、この役員報酬を適切な金額に設定することで、標準報酬月額を低く抑えることが可能です。

結果として、高い所得を得ている個人事業主であっても、社会保険料の支払いを大きく削減できるのです。

例えば、課税所得800万円のフリーランスが国民健康保険に加入している場合と、トク社保を利用して役員報酬を低く設定した場合とでは、年間の保険料に数十万円単位の差が生まれることもあります。

家族がいても追加の保険料がかからない

ご家族がいる方にとって、トク社保は非常に魅力的な制度です。

なぜなら、健康保険における「扶養」の仕組みを利用できるからです。

国民健康保険には「扶養」という概念が存在しません。
そのため、配偶者やお子さんなど、家族一人ひとりに対して保険料が発生します。

家族の人数が増えるほど、世帯としての保険料負担は重くなります。

しかし、トク社保で加入する会社の健康保険では、一定の収入要件などを満たす家族を「被扶養者」として追加の保険料なしで加入させることができます
つまり、ご自身1人分の保険料で、配偶者やお子さん、場合によってはご両親も健康保険の保障を受けられるのです。

扶養する家族が多いほど、国民健康保険との差額は大きくなり、家計へのメリットは計り知れません。

将来もらえる年金額が増える

老後の生活設計を考える上で、年金は非常に重要な要素です。

トク社保に加入すると、将来受け取れる年金額を増やすことができます。

フリーランスや個人事業主が加入する公的年金は「国民年金(基礎年金)」のみです。
これは、日本の年金制度の1階部分にあたります。

一方、会社員などが加入する社会保険では、国民年金に加えて「厚生年金」にも加入します。
これは年金制度の2階部分です。

トク社保に加入するということは、厚生年金の被保険者になることを意味します。
これにより、老後は国民年金に加えて、現役時代の報酬額に応じた厚生年金が上乗せして支給されるため、国民年金のみに加入している場合と比較して、手厚い年金を受け取ることが可能になります。

老後の経済的な安心感を高めたい方にとって、これは大きなメリットと言えるでしょう。

国民健康保険にはない手厚い保障が受けられる

万が一の事態に備える保障内容も、トク社保の大きな魅力です。

トク社保で加入する健康保険(主に協会けんぽ)には、国民健康保険にはない手厚い給付制度が用意されています。

特に重要なのが「傷病手当金」と「出産手当金」です。

傷病手当金

業務外の病気やケガで働くことができなくなり、連続して3日間休んだ場合、4日目から最長1年6ヶ月間にわたって、給与のおおよそ3分の2に相当する額が支給される制度です。
収入が途絶えがちなフリーランスにとって、働けなくなった際の生活を支えるセーフティネットとして非常に心強い存在です。

出産手当金

女性が出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合に、出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として支給されます。
これも傷病手当金と同様に、収入減を補う重要な制度です。

これらの保障内容の違いを以下の表にまとめました。

保障内容トク社保(協会けんぽなど)国民健康保険
傷病手当金ありなし(※一部組合・自治体で独自の制度がある場合も)
出産手当金ありなし(※一部組合・自治体で独自の制度がある場合も)
出産育児一時金ありあり
高額療養費制度ありあり

このように、病気、ケガ、出産といったライフイベントに際して、国民健康保険よりも手厚いサポートを受けられる点は、安心して事業に集中するための大きな支えとなります。

社会的信用度が向上する可能性がある

意外に思われるかもしれませんが、トク社保への加入は「社会的信用度」の向上にも繋がります。

フリーランスや個人事業主は、会社員と比較して収入が不安定と見なされることがあり、住宅ローンや自動車ローン、事業用の融資などの審査で不利になるケースがあります。

金融機関は、返済能力を判断する上で「勤務形態」や「社会保険の加入状況」を重視するためです。

トク社保に加入し、社会保険の被保険者になるということは、対外的に「法人に所属し、毎月安定した給与(役員報酬)を得ている」という証明になります。
これにより、個人事業主のまま申し込むよりも、各種ローンの審査やクレジットカードの申し込みなどで有利に働く可能性があります。
また、賃貸物件を借りる際の入居審査においても、安定した属性として評価されやすくなるでしょう。

もちろん、必ず審査に通ることを保証するものではありませんが、事業やライフプランを拡大していく上で、社会的信用度が高まることは大きなアドバンテージとなります。

トク社保に加入する前に知るべき3つのデメリット

トク社保は、フリーランスや個人事業主にとって多くのメリットがある魅力的な制度ですが、加入を検討する際には良い面だけでなく、注意すべき点や潜在的なデメリットも正確に理解しておくことが重要です。

ここでは、加入後に「思っていたのと違った」と後悔しないために、事前に知っておくべき3つのデメリットを詳しく解説します。

誰でも無条件で加入できるわけではない

トク社保の最大の注意点の一つが、加入を希望するすべてのフリーランスや個人事業主が、無条件で加入できるわけではないという点です。

トク社保は、特定の法人(一般社団法人など)の被保険者として社会保険に加入する仕組みであり、その法人の組合員・会員になるための審査が存在します。

審査基準の詳細は公表されていないことが多いですが、一般的に以下のような点が考慮されると考えられます。

  • 職種の適合性:ITエンジニアやWebデザイナー、ライターなど、運営団体が対象としている特定の職種であるか。
  • 事業の実態:フリーランスとして安定的に事業を継続している実態があるか。過去の実績やポートフォリオの提出を求められる場合があります。
  • 収入の安定性:継続して保険料を支払えるだけの安定した収入があるか。

つまり、開業したばかりで事業実績がほとんどない場合や、対象職種以外で活動している場合は、審査に通らず加入できない可能性があります。

メリットの大きさに惹かれても、まずは自分が加入対象の条件を満たしているか、そして審査というハードルがあることを認識しておく必要があります。

将来の年金額が想定より増えない可能性

メリットとして「将来もらえる年金額が増える」ことが挙げられますが、これも手放しで喜べるわけではなく、注意が必要です。

トク社保に加入すると、国民年金(基礎年金)に加えて厚生年金に加入することになり、年金額は確かに増えます。
しかし、その増加額は加入時に設定される「標準報酬月額」によって大きく左右されます

標準報酬月額とは、社会保険料や将来の年金額を計算するための基準となる給与額のことです。
この金額が低く設定されている場合、支払う厚生年金保険料は安くなりますが、その分、将来の年金受給額(報酬比例部分)への上乗せも少なくなります。

例えば、国民年金のみに加入している人が、老後の年金を増やすために「国民年金基金」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」に加入する選択肢もあります。
これらの制度は掛金が全額所得控除になるなど、税制上のメリットも大きいです。

トク社保で設定される標準報酬月額によっては、これらの制度を利用した方が、最終的な手取り額や将来の資産形成において有利になるケースも考えられます。

「厚生年金に加入するから安心」と安易に考えるのではなく、ご自身の標準報酬月額がいくらに設定されるのか、それによって将来の年金がどの程度増えるのかを、可能であれば事前にシミュレーションし、他の制度とも比較検討することが賢明です。

確定申告の手間が少し増える場合がある

フリーランスや個人事業主にとって、年に一度の確定申告は重要な業務です。

トク社保に加入すると、この確定申告における社会保険料の扱いや経費計上の方法が変わり、国民健康保険に加入していた時よりも会計処理が少し複雑になります

具体的には、支払った社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の会計処理方法が変わる点がポイントです。

国民健康保険料や国民年金保険料は、支払った全額が「社会保険料控除」として所得から控除されます。
しかし、トク社保で支払う社会保険料は、事業主(あなた自身)と被保険者(あなた自身)で半分ずつ負担しているという考え方になります。
そのため、確定申告では以下のような処理が必要です。

  • 事業主負担分(半分):事業の経費である「法定福利費」として計上します。
  • 被保険者負担分(半分):「社会保険料控除」として所得から控除します。

この「経費計上」と「所得控除」の2段階の処理が必要になるため、会計ソフトの設定変更や仕訳の手間が新たに発生します。

違いをまとめると以下のようになります。

項目国民健康保険・国民年金の場合トク社保(社会保険)の場合
保険料の会計処理支払った保険料の全額を「社会保険料控除」として所得から控除する。支払った保険料の半分を「法定福利費」として経費に計上し、残りの半分を「社会保険料控除」として所得から控除する。
申告時の考え方シンプルな所得控除のみ。経費計上による課税所得の圧縮と、所得控除の2つの手続きが必要。

会計ソフトを使っていれば対応は可能ですが、これまでご自身で簡易的に申告を済ませていた方にとっては、新たな知識が必要となり、負担に感じる可能性があります。

税理士に依頼している場合でも、この変更点を正確に伝える必要があります。

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トク社保の加入手続きと必要書類

トク社保への加入は、いくつかのステップと書類準備が必要ですが、一つひとつ手順を踏めば決して難しいものではありません。

多くの場合、手続きはオンラインで完結するため、時間や場所を選ばずに申し込みが可能です。

ここでは、申し込みから加入完了までの具体的な流れと、事前に準備しておくべき書類について詳しく解説します。

スムーズな手続きのために、あらかじめ全体像を把握しておきましょう。

トク社保

申し込みから加入完了までの流れ

トク社保の加入手続きは、おおむね以下の6つのステップで進みます。

審査には一定の期間を要するため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

ステップ1:加入資格のセルフチェック

まずは、あなたがトク社保の対象となるフリーランス・個人事業主の条件を満たしているかを確認します。
多くの場合、公式サイトに加入資格のチェックリストやシミュレーションが用意されています。
事業内容や職種が対象に含まれているか、必要な事業実態を示せるかなどを事前に確認しましょう。

ステップ2:Webサイトからの申し込み

加入資格があることを確認できたら、公式サイトの申し込みフォームから必要情報を入力します。
氏名、住所、生年月日といった基本情報に加え、事業内容、職種、開業年月日などを正確に入力してください。
この段階で、扶養家族の有無なども申告します。

ステップ3:必要書類のアップロード

次に、あなたの事業実態や本人情報を証明するための書類を提出します。
書類はスキャンするか、スマートフォンで鮮明に撮影した画像データを用意し、指定されたWebフォームからアップロードするのが一般的です。
必要な書類の詳細は次の項目で詳しく解説します。

ステップ4:協会および健康保険組合による審査

提出された情報と書類をもとに、フリーランス協会や提携する健康保険組合(文芸美術国民健康保険組合など)による審査が行われます。
審査では、主に「フリーランス・個人事業主として継続的に事業を行っているか」という点が確認されます。
審査期間は申し込み時期や書類の不備の有無によって変動しますが、おおよそ1ヶ月から2ヶ月程度かかるのが一般的です。

ステップ5:審査結果の通知と初期費用の支払い

審査に通過すると、メールなどで審査結果の通知が届きます。
通知内容に従い、指定された期日までに年会費や初月の保険料などの初期費用を支払います。
支払い方法はクレジットカード決済や銀行振込が利用できる場合が多いです。
この支払いが完了して、正式に加入契約が成立します。

ステップ6:保険証の受け取りと国民健康保険の脱退手続き

初期費用の支払いが確認されると、後日、健康保険証が郵送で届きます。
保険証が手元に届いたら、必ず14日以内に、お住まいの市区町村の役所で国民健康保険の脱退手続きを行ってください
この手続きを忘れると、国民健康保険料とトク社保の保険料を二重に支払うことになってしまうため、絶対に忘れないようにしましょう。
脱退手続きには、新しく届いた健康保険証と、それまで使っていた国民健康保険の保険証、本人確認書類、マイナンバーがわかるものなどが必要です。

事前に準備しておくべき書類一覧

申し込みをスムーズに進めるために、以下の書類をあらかじめデータで準備しておくと安心です。

不鮮明な画像は再提出を求められ、審査が遅れる原因になるため、文字がはっきりと読めるように撮影・スキャンしてください。

書類の種類具体的な書類の例準備のポイント
本人確認書類運転免許証(両面)、マイナンバーカード(表面のみ)、パスポート(顔写真ページと所持人記入欄)など有効期限内のものを用意してください。住所変更などがある場合は、裏面の画像も必要です。
事業実態を確認できる書類直近の確定申告書(控え) 開業届(控え) クライアントとの業務委託契約書 発行した請求書や領収書(控え) 事業用のWebサイトやポートフォリオのURLフリーランスとして活動していることを客観的に証明する最も重要な書類です。
税務署の受付印がある確定申告書や、具体的な業務内容がわかる契約書・請求書などを複数種類用意すると審査が通りやすくなります。
マイナンバー確認書類マイナンバーカード(両面)、通知カード(記載事項に変更がない場合)、マイナンバー記載の住民票の写しなど年金手続きに必要となります。
本人確認書類としてマイナンバーカードを提出する場合は、別途用意する必要はありません。
(扶養家族がいる場合)
扶養者の収入証明書類
課税(非課税)証明書、確定申告書の控え、給与明細の写しなど扶養家族が加入条件を満たしているかを確認するために必要です。
対象となる家族の直近の収入がわかる書類を用意してください。

トク社保

トク社保に関するよくある質問

トク社保への加入を検討する際、多くの方が抱く疑問や不安について、専門家の視点からQ&A形式で詳しくお答えします。

加入前に不明点を解消し、納得した上で手続きを進めましょう。

本当に怪しいサービスではないのか?

「トク社保」という名称から、何か特別な裏技や違法なサービスではないかと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、結論から言うと、トク社保は国の制度を合法的に活用した、まったく怪しくないサービスです。

トク社保の仕組みは、一般社団法人ITフリーランス支援機構が、労働保険事務組合である「中小企業事業主労務管理協会」と提携することで成り立っています。
この「労働保険事務組合」とは、厚生労働省の認可を受けて、本来は社会保険に加入できない個人事業主や中小企業の事業主が、特別に社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できるようにする公的な制度です。

つまり、トク社保は個人では加入資格のない社会保険に、国の認可を受けた組合を通じて加入する仕組みを提供しているサービスなのです。

違法性やグレーな要素は一切なく、安心して利用できる制度と言えます。

保険料は具体的にいくらになるのか?

トク社保で支払う保険料は、国民健康保険料のように前年の所得や自治体によって大きく変動するものではなく、「標準報酬月額」という国が定めた基準に基づいて算出されます。
この標準報酬月額は、あなたの報酬(売上から経費を差し引いた所得額)に応じて等級が決定されます。

毎月の支払額は、この標準報酬月額に基づいて計算された「健康保険料」と「厚生年金保険料」、そして組合の運営費である「組合費」を合計した金額になります。

具体的な保険料は個人の所得によって異なるため、一概に「いくらです」と断言することはできません。

ご自身の正確な保険料を知るためには、トク社保の公式サイトで提供されている保険料シミュレーションを利用するのが最も確実です。

現在の国民健康保険料と比較し、どれくらい負担が軽減される可能性があるのかを具体的に確認してみましょう。

保険料の内訳

項目内容
健康保険料標準報酬月額に保険料率を掛けて算出されます。保険料率は加入する健康保険組合(協会けんぽ)によって決まります。
厚生年金保険料標準報酬月額に共通の保険料率(18.3%)を掛けて算出されます。この保険料は労使折半となるため、実質的な自己負担はその半分です。
組合費一般社団法人ITフリーランス支援機構の運営費として支払う費用です。保険料とは別に毎月定額で発生します。

いつでも脱退することは可能か?

はい、原則としてトク社保はいつでもご自身の意思で脱退することが可能です。
例えば、法人成り(法人化)して会社の社会保険に加入する場合や、企業に就職して会社員になる場合など、他の社会保険に加入する際には脱退手続きが必要となります。

ただし、脱退手続きには書類のやり取りなどで一定の期間が必要となる場合があります。
脱退を決めたら、できるだけ早く運営事務局に連絡し、手続きを開始することが重要です。
脱退後は、ご自身で国民健康保険と国民年金への切り替え手続きを、お住まいの市区町村役場で行う必要があります。

急な就職や法人化の予定がある場合でも、スムーズに手続きを移行できるよう、脱退の申し出は余裕を持って行うことを心がけましょう。

法人成りした場合や会社員になったらどうする?

個人事業主としてトク社保に加入していた方が、事業を法人化(法人成り)した場合や、企業に就職して会社員になった場合は、トク社保を脱退する必要があります。
これは、日本の社会保険制度では、複数の健康保険や厚生年金に同時に加入することが原則としてできないためです。

法人を設立すると、たとえ社長一人だけの会社であっても、その法人の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する義務が生じます。
同様に、会社員になれば、その勤務先の社会保険に加入することになります。
そのため、トク社保の加入資格がなくなるため、速やかに脱退手続きを行ってください

確定申告の方法は変わる?

トク社保に加入すると、確定申告の際に少しだけ記載方法が変わる点があります。
トク社保で支払った健康保険料と厚生年金保険料は、国民健康保険料や国民年金保険料と同様に、全額が「社会保険料控除」の対象となり、所得税や住民税を計算する上で所得から差し引くことができます。

年末になると、トク社保の運営元から1年間に支払った保険料の総額を証明する「控除証明書」に類する書類(給与明細の年間合計など)が送付されます。
確定申告の際には、その書類に記載された金額を社会保険料控除の欄に記入して申告します。

トク社保の仕組み上、形式的に「給与所得」が発生するため、これまでの「事業所得」に加えて「給与所得」を申告する必要が出てくる場合があります。
少し複雑に感じるかもしれませんが、会計ソフトを利用したり、不明な点は税務署や税理士に相談したりすることで問題なく対応できます。

審査に落ちることはある?

はい、トク社保は誰でも無条件で加入できるわけではなく、所定の審査があります。
そのため、加入条件を満たしていない場合は審査に通過できず、加入できないことがあります。

審査に落ちる主な理由としては、以下のようなケースが考えられます。

  • IT関連のフリーランス・個人事業主としての活動実態が確認できない場合
  • 申し込み時に提出が必要な書類(確定申告書の控え、本人確認書類など)に不備がある、または提出されない場合
  • その他、組合が定める加入規約に合致しない場合

加入をスムーズに進めるためには、申し込み前に公式サイトで加入条件をしっかりと確認し、必要な書類を不備なく準備しておくことが非常に重要です。
ご自身の職種や活動状況が対象となるか不安な場合は、事前に問い合わせてみるのも良いでしょう。

まとめ

今回は、フリーランスや個人事業主の間で注目される「トク社保」を解説しました。トク社保は、特定の組合を通じて社会保険に加入する制度です。

国民健康保険料より負担を抑えつつ、扶養家族の保険料が無料になるなど、経済的なメリットは大きいと言えます。
また、国民健康保険とは異なり厚生年金に加入できるため、将来の年金受給額が増える点も魅力です。

ただし、加入には条件があるため、本記事で解説した内容を参考に、ご自身にとって最適な選択か慎重に検討しましょう。

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